2013年06月27日

ウラニーノ ピストン大橋脱退ラストライブ 2013年6月20日 下北沢CLUB Que ライブレポート

acari自主企画『とけない魔法 vol.4』/2013年6月20日
at 東京 下北沢CLUB Que
ヒラオコジョー・ザ・グループサウンズ/acari/ウラニーノ

1.愛してる
2.手の鳴る方へ
3.ありがとうとごめんねと
4.無題
5.縦笛ハンター
6.ブランクミュージック

EN1.ツアーメン
EN2.贈るピストン

6月11日の脱退発表からわずか9日、急転直下で決定したウラニーノ12年体制最後のライブが対バンというのは、ライブバンドだったウラニーノにとって、ある意味相応しい舞台だったのかもしれない。ともかくの6月20日のCLUB Que。実は、対バンでウラニーノを観るのはこれが初めてだった。
開場時こそゆるやかな動員だったが、開演までには会場の半分が埋まるだろうかという感じへ。まずはトップバッター、ヒラオコジョー・ザ・グループサウンズによるライブ。日常生活をしっかりとした眼差しで捉えた歌詞とサウンドが印象的なバンドだった。
ヴォーカルのヒラオコジョーがMCで、「バンドを続けていると本当に色々なことがある。いろんな人と知り合えるが、ファンだけはどうしてもこっちから見つけることが出来ない。かけがえが無い。今日で音楽をやめますと言っても、『辞めないで!』と何の忌憚もなく言ってくれる存在はファンしか居ない」と話していたのがとても印象的で、うわぁ……と思ったことと同時に、けれどそれでも辞めてしまったら、それはファンを失うということなんだな、という冷酷な現実もちょっと突きつけられたりして、改めてマンパワーの何かを感じたような気がしました。ウラニーノ、そうでなくてくれ! しかし他人のバンドのMCの時間中も、ちゃっかり後ろから見ていて誰よりもゲラゲラ笑っているピストン、やっぱりすごいわ……。
二番手、そして本来はトリのはずだったacariの出演。音楽の印象は曲ごとに大きく違えど、しっかりとした演奏力のあるバンドだった。何とウラニーノとはほとんど面識がないといい、そんな中でトリを譲るというありえない(笑)決断をして下さったことが本当に在り難く、ファンとしては心から嬉しいものだった。結果的に企画を乗っ取った形になったから、ぜひ次は『とけちゃった魔法』を企画して頂きたい。行きます! (Queでね!)

そして21時過ぎ、いよいよ客が増えてゆき、CLUB Queはほぼすし詰め状態に。動員は200人を超えていたというから、ほとんどキャパ満員に近い状態だったはず。バンドマンも多かったようで、最近対バンが続くnano.RIPEのメンバーも後ろで見ていたということだった。
そして開幕! いきなり前説の音楽が大音量で流れたかと思うと、リクルートスーツ姿に首から「就活中」と書かれた札をぶら下げたピストンが満面の笑みで登場! あんたらすごいわ!! いきなり大爆笑の会場に他メンバーも加わり、お決まりのピストンひとり山岸(さん)ペロペロ⇒メンバー一同による一糸乱れぬダンス が次々と披露。「今夜もよろしくねッ!」というピストンの合図から山岸がギターをかき鳴らし、『愛してる』から現メンバー最後のライブがスタート。激しいギターリフから3人のアンサンブルが始まった瞬間の鳥肌! 過去最も激しい『愛してる』の大熱演。正直、僕はもうこの辺りからダメで、間奏で3人が寄り添うように中央に集まって互いにギャンギャンと楽器をかき鳴らす姿から涙が止まらなかった。スーツ姿のピストンと、バンドマン姿の山岸・小倉(さん)。別れを否応なく想像させるその演奏風景が、まるで青春の終わりのようだった。
あっという間に演奏終了。観客から雄たけびが次々と上がる。続けて静かに始まったのが『手の鳴る方へ』。この曲も中盤以降畳み掛けるような展開が見事ですが、ピストンのコーラス……「山岸:行かなくちゃ」「ピストン:行かなくちゃ」「山岸:行かなくちゃ……」の部分が、まるで今のこの瞬間の掛け合いのようで……こちらも涙が止まらない。正直、ここまで感情的になってしまうとは思っていなくて、僕の中でどれだけウラニーノが大きかったのかが、もう、辛かった……。
が、だ。
ここからのMCタイムで雰囲気一転!
最後とばかりにキモさ全面押しのピストン。会場からの「キモーイ!」の掛け声に最高に気持ち悪い声で「知ってる〜、ウフフフフフフ」と返したピストンに千年の恋も冷めゆく。山岸が「ピストンのラストライブとなった途端に猛烈な勢いでチケットが売れて……、有り難いんですが皆さんもっと普段からライブ来て下さい!」とぶっちゃけ、ピストンがツッ込むいつもの漫才には、湿っぽさを感じさせてたまるか、という、最後までショウであり続けるウラニーノの姿がありました。「皆さん間違っても絶対に泣かないで下さいね! むしろ一人泣くピストンを全員で指差して笑おうって趣旨ですから!」「ちょっ、じゃあ俺、絶対泣かない!」「……皆さん、いまのよく覚えておきましょう!」
3曲目は、「ピストンもこういう気持ちかもしれない……、曲名だけですが」という紹介から『ありがとうとごめんねと』。この曲はベースが難しく、100テイク近くも撮り直す羽目になったというピストン的にはいわくつきの曲。ただ今回は、1番のサビ前まではベースを弾かず、ピストンがひとり歌詞を口ずさんでいたのがとても印象的でした。
続けて『無題』。再び3人の激しいアンサンブルを堪能すると、あのボイスパーカッションと共に『縦笛ハンター』が開幕!! 最近のライブはわからないのですが、山岸が「学生時代! 好きな女の子に振られました! ならどうしますかッ! 縦笛を舐めるしかないでしょーーーーっ!!(キレ気味)」と一切フォローなしで叫んでいたのはちょっとヤバイ感じを想像させ、しかしそれが同時にとても気持ちよ過ぎたりなんかして。ある意味会場を最高潮で乗っ取った瞬間でした。だって満員のCLUB Que、全員が「キャーー!」でしたからね!!
楽曲中盤、「目を閉じる そして感じる…… (I kiss you rips……)」の部分はピストンが「安藤さんの(エア)リコォダーァ! ンンン〜ッレロレロレロレロレロレロ……せーのっ、ベレロレロレロレロレレオ……」といつもより長めに、ヤバい感じに披露。エスカレートしてゆくピストンの醜態(明日から無職)に、思わず山岸も吹き出して観念したように演奏再開。会場も大合唱でサビを連呼。あの謎のハッピー空間は何だったのか……。さらに小倉が前に出てきて、最後のフレーズのギターまで弾き始め(山岸はドラムを叩きながらヴォーカル)、盛り沢山の内容で拍手喝采の中、演奏終了。
MCでは、もちろん今後もウラニーノは2人で活動継続してゆくことが明言され、決定しているライブ、秋のリリースがあることに関してもアナウンス。客席から「オーロラ!」という掛け声が上がり、普段は会場からの声には反応しないスタンスであるという山岸が「ここでオーロラ!?」と思わず動揺してしまったのが面白かったです。ピストンも、「僕、書類送検されちゃう!」
最後の曲は、新曲「ブランクミュージック」。「ピストンと僕が生まれた1980年はジョン・レノンが死んじゃった年、ビートルズを聴いて音楽を始めた僕と、TM NETWORKを聴いて音楽始めたピストンで最後に演奏する曲です」。あまり歌詞が聞き取れなかったのですが(スミマセン)、ノリノリのロックナンバーで〆でした。

アンコール待ちは「ピストンコール」! 途中なぜか男女でパート分けされ、「ピストン! ピストン! ピストン! ピストン!」。
わずか数分でアンコールスタート! 前説は「じょいふる」。会場全員で踊り狂う。開始早々に「本日、スペシャルゲスト、佐久間正英さんに来ていただいています!」という山岸の紹介でプロデューサーの佐久間正英氏が登場、何と黄色い新品のベースを手にしている! ピストン脱退決定前に佐久間氏にオーダーしていたというベースが本日完成したというサプライズ! 嬉しそうだが、今日この場で貰った瞬間に弾かなければならないという妙なシチュエーションに狼狽するピストン。素敵なはなむけのプレゼントだな! と思った瞬間に、「請求書はピストン本人に……」。
音が出るまでかなり長い間が出来てしまい、全員苦笑しながらも、最後には何とかヴィーンと音を響かせて『ツアーメン』がスタート! 「ピストンとの時間は、とても愉快なものでした。これからもウラニーノを続けることがピストンとの最後の約束です!」。素晴らしいバンドアンサンブル、高揚感、なぜかカラッとしたその空気は本当に愛おしく、ああ、これで終わりなんだなぁ、と思いながら最後の最後の1音……、全員で見合わせて……ビーン。ピストン、音を外される! 虚しく響く最後のベース、ワンテンポ遅れてギターとドラムがジャーン! 「おーいっ!おーいっ!」と動揺しまくるピストンを尻目に、拍手喝采を浴びるこれからのウラニーノ! 頑張って下さいっ!
最後に、今日のライブ出演者全員を交えて(みなピストンのお面を付けながらの登場、ステージ上がピストンだらけになるという異様な光景に)の「贈る言葉」の替え歌『贈るピストン』の大合唱(「おくる〜ピスト〜ン〜」の部分だけであとは同じ歌詞)。何気にウラニーノメンバーによる演奏であり、ピストンもベースを弾きながら自分を贈る歌を歌う。特に初対面のacari! このノリに付いて来て下さってありがとうございます! ごめんなさい! 「最後に一言!」と言われて特に何の気の利いた言葉が出てこないピストンさんが大好きでした。グッドラックです! これからも歩み行く、ぼくの青春の3名様に幸多かれ!


※特にMC内容は記憶から起こしているので文意が変わっている恐れが十分にございます。ご了承ください。また、記憶に乏しい箇所はtwitterなどからのライブレポートも一部参照しています。

2012年12月09日

ウラニーノワンマンライブat渋谷 2012年12月8日

ウラニーノワンマンライブ/2012年12月8日
at 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUR
『ウラニーノ新喜劇全国ツアー〜動員頭打ち\(>_<)/〜
*本公演は基本的にロックコンサートです。』 ツアーファイナル

※追記:山岸日記で発表された曲名を反映、感想文を追記しました(12/12)

1.ロックバンド(新曲)
2.続・やぶ医者とわたし
3.中距離恋愛ラプソディ
4.ありがとうとごめんねと
5.新曲(花)
新喜劇〜「ウラニーノ刷新会議」
6.新曲(セクース オン ザ ビーチ)
7.無題(新曲)
8.明日を照らせ
手紙〜5年前の山岸へ
9.前進するビート
10.ぼくのロケット
11.ツアーメン
12.縦笛ハンター
13.大学生の悲鳴
En1.500円のクリスマス
En2.終着駅
En3.アンケートを握り締めて(新曲)

※曲数は一見少なめですが、公演は2時間半超という大ボリュームでした。

ウラニーノはずっと、「ロックバンド」のイメージと戦い続けていたバンドでした。「ロックンロールってキャラじゃないんですよね……」「曲を演り終えるとシーンとしてしまう……」なんて自虐的にMCで触れては歌い続けていて、もちろんそれは確かに、このバンドの醸し出すイメージの一つではありました。けれど一方で、まるでそれがひとつの狙いであるかのように、そのイメージが演出されているように思える瞬間も過去にはありました。ウラニーノを見続けている方ほど分かることだと思うのですが、ワンマンライブ中に起こるさまざまな「起伏」が、本当に最初から最後まで巧みに演出されていること、結して悪い意味ではなくて、特にフロントマンである山岸さんの、一種の「したたかさ」が実に見事だということ……。
でもそれは、このバンドの要素を支える演出の「影」であって、昔で言うなら、へっぽこな主人公のいじらしい姿や想いであったり、最近で言うなら、このどうしようもない日常を生きる人々への応援・励ましであったり、そういうものがウラニーノの「表」であり、「光」だったのです。そしておそらく、それらを表現するには、ワイルドで、一種の高揚感を誘うようなゴリゴリのロックバンドのイメージは似つかわしくなかったのでしょう。
ところが今回の「新喜劇」ワンマンは、その「ロックバンドのイメージとの対決」を鮮明に打ち出していました。まさにインディーズ・メジャー問わないロックバンドのお約束を冷徹に描き出す新曲『ロックバンド』で幕を開ける選曲、さらに2曲目にハードな『やぶ医者とわたし』をいきなり持ってくるという度肝を抜くセットリスト……。さらに、新喜劇で披露された新曲『セクース オン ザ ビーチ(曲名・仮)』も、「売れ線音楽」の要素を取り込みすぎてハチャメチャになってしまったという、強烈な皮肉とエスプリが効かされた痛快なもので、ウラニーノの、「こういうものにはなりたくない!」という宣言のような強い意志にスカッとさせられ、けれども同時にとても驚かされました。これまでは決して、そういう面を打ち出すバンドではなかったのですから。
しかしウラニーノは、ライブの途中から、タイトルの通り動員も頭打ち、ひとつの限界点を迎えていたらしい現在のバンドの姿そのものと、この演出をだぶらせてゆきます。毎度恒例『前進するビート』の手前にある手紙コーナーでは、はじめて山岸氏本人から本人への手紙が朗読。昨年、言葉にするだけでも辛すぎる大きな壁にぶつかったエピソードが語られ、5年前に自身が作曲した『前進するビート』への想いが叫ばれました。去年12月のワンマンでも、ピストン大橋の脱退にまつわるぶっちゃけ話が演出として取り込まれてびっくりしましたが、でももしかしたら、もしかしたらですが、このような、普段は決して明かされない、ロックバンドの一種の神聖化・タフネスさを真っ向から否定するような「告白」の連続もまた、このバンドの「戦っている意志」を示しているとしたら、どうでしょう?
昨年の「新喜劇ファイナル」は結構コント寄りで、「警察の検問」とか「マクース(マック)の店員」だったりしたわけですが、今回の実質的にコントは「バンドの方向性会議」だけで、売れるためにはどうする? と3人で話し合う姿は、まさにバンドの内情そのものをコミカルに表現したものだったと言えるでしょう。このライブそのものが、「ロックバンドのイメージとの対立」を戯曲化するための「新喜劇」だったことは言うまでもなく明らかでした。でもそれって、すごいことで。本当にすごいことで……。だって普段は絶対にそんなこと、言わないですよ。表に出さないですよ。そもそも知りたくもない。なのに、それがはっきりとした意思をもって、そしてショウとしてユニークに表現されていて、しかもそれを私たちがそれほど特別なこととは思わずに受け止めているというのは……。
あなたと同じ目線に立ちたい。あなたと同じ目線の世界であなたを励ましたい。
そういう想いの強さが、これまでのウラニーノの「かっこいいロックバンド」からの反逆と、「ヘボ」さの演出の理由なのだとしたら! しかし今回はそれが、表現したい内容とそのための演出が逆転し、あくまで影であったウラニーノのもう一つの姿が爆発したように感じられました。そして、それは、本当に、とんでもなく、心震える感動的なものでした。
アンコールのMCで、山岸さんは、「あくまでこれはショーなので、決してコント中での何やかんやは他のバンドさんを皮肉にしているわけではなくて……」と触れて笑いが起きていましたが、しかしこの言葉はどちらかというと、初めて自分から自分への手紙を朗読したことへの一種の照れ隠しのようにも感じられました。

一種のスターである「ロックバンド」としてではなく、悩み、みっともなくあがくその姿をさらけ出すということ。共に日常を生きるということ……。
今回のワンマンは、間違いなくここ数年で僕がみたウラニーノのどのワンマンよりも強烈で、素晴らしく、あくまで僕目線ですから何ともいえませんが、主観的に言えば、ウラニーノのひとつの大きな壁が崩れたように感じられたライブでした。

これからのウラニーノは、どう進むのでしょう。
今回のように、「ロックバンド」と戦う姿勢がまた現れてくるかもしれませんし、一方で、昨年の「収穫祭」で示されたような、東京を生きる人々への応援歌のカラーを再び打ち出してゆくかもしれません。たぶんそのどちらもが共存しながら、ウラニーノはまた、大きく変化してゆくのでしょう。
「次のツアーは、“レコ発完売御礼”にします!」と力強く宣言された今回のワンマン。紛れも無くウラニーノのひとつの季節が終わり、そして新たに始まった一夜だったと思います。
やっぱり大好きだよ! ウラニーノ。そして、かっこいい。ひたすらかっこいいのです。初めてのことですが、次のライブには友人を誘おうと思います。たくさんたくさん誘おうと思います。このバンドは、知られなきゃ、だめだ!


関東のワンマンで披露された未音源化の新曲一覧(20曲)

・明日を照らせ
・愛してる
・縦笛ハンター
・ファーマーの長男
・死ぬとか生きるとか
・夜を越えて
・晩夏
・中距離恋愛ラプソディ
・神様と東京ウォーク
・荒川クルーズ
・戦場に咲いた花
・ファーマーがダーリン
・音楽はあるか
・祈り
・ロックバンド
・無題
・アンケートを握り締めて
・新曲(花〜)
・新曲(セクース オン ザ ビーチ)
・手をつなぐ(ラジオでオンエア、レコーディングされている? が未収録)

2011年12月12日

ウラニーノワンマンライブat渋谷 2011年12月11日

ウラニーノワンマンライブ/2011年12月11日
at 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUR
『結成10周年YEARグランドファイナル
   〜ウラニーノ新喜劇 アゲイン〜』


1.ランドリーとワールド
2.愛してる
3.花ともぐら
4.中距離恋愛ラプソディ
5.ありがとうとごめんねと
6.月夜のデート
7.明日を照らせ
新喜劇〜「警官の検問」→ピストン大橋脱退撤回
8.前進するビート
9.ツアーメン
10.中央分離帯
11.ファーマーの長男
12.縦笛ハンター
13.音楽はあるか

新喜劇〜「マクースの店員」
EN1.続・やぶ医者とわたし(with 仲道良(ex:ircle))
EN2.ぼくのロケット(with 仲道良(ex:ircle))

DEN.海


今回は時間通りの開場、開演となったワンマンシリーズのファイナル。実に今年5回目となる会場(3、6、9、12月とワンマンがあった。うち3月は2Days)です。開演までの間、山岸選曲のビートルズナンバーが流されていました。ちなみに選曲は……

「Across the Universe」「I Am the Walrus」「Here, There And Everywhere」
「Girl」「Sexy Sadie」「The Fool on the Hill」
「This Boy」「In My Life」「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」
「Lucy In The Sky With Diamonds」「Mr. Moonlight」「Hey Bulldog」
「You've Got To Hide Your Love Away」「Honey Pie」(聞き取り ミスあるかも……)

山岸さんってポールのイメージがあったけれど、意外とジョン派? なのですね……。

さて、ライブはピアノ弾き語りから「ランドリーとワールド」でスタート。コサイギターは1曲目から参加。2曲目はいきなりCD未発表の大名曲「愛してる」! ちょっと苦しそうな場面がありながらも熱唱でした。3曲目は一転して「花ともぐら」。ここでMCが入りました。

「前回の大阪ワンマンで新喜劇をしてみたら大いにウケた。僕らも楽しくなっちゃったのでもう一回やることにした」「これで東京でコケたら僕らは拠点を関西に移します」と堂々宣言。また、これで5回目となるこの会場に慣れてきていることにも触れ、「帰ってきました、という感じ」「楽屋には毎回マウントレーニアが『ご自由にお飲み下さい』と置いてあったが今回は無かった」などなど披露。
さて、「次の曲はまだ名前がついていません。皆さんも、こんなタイトルになるのかな? とかイメージしながら是非聞いてみて下さい。では……『中距離恋愛ラプソディ』。」演奏スタート。って、おい! 会場のお客さんが「?」となる中、ピストン大橋がツッコミを入れていきなりコントがスタートしました。その後も、なぜか小倉ヴォーカル→コサイヴォーカル(超甘美声すぎて会場全体が悲鳴&うっとり)→ピストンヴォーカル(誰も合わせない)とボケをかましながら「中距離恋愛ラプソディ」。しかし本当にコサイ氏のヴォーカルがハマってたな……。この曲は比較的、いい意味でウラニーノっぽくない洗練されたおしゃれなビートのある曲なので、そのせいもあるだろうけれど。

続いて「ありがとうとごめんねと」。山岸氏がキーボードに移動し、「月夜のデート」。力強いドラムの音と共に「明日を照らせ」が次々に演奏されました。
そして、聞こえて来てしまった「新喜劇のテーマ」! メンバーが一旦楽屋にはけて、ステージに簡単な椅子、コーンなどの小道具がセットされます。コント内容は、急いでいるのに警察の検問にひっかかってしまった運転手(ピストン大橋)と、検問で「あいつ逮捕しましょうよ」と怪しい会話を交わすベテラン警官(「おい、小池!」の小池を追いかける小倉)と若手警官(山岸)の会話劇。途中、「持ち物検査だ!」と楽屋からピストンのバッグを本当に持ち込んできてしまい、焦るピストンを尻目に「いまさら聞けない音楽用語」「ベースがうまく見える100のテクニック」といった書物、ラブホテルのスタンプ票(なぜか宿泊代まで詰問w)、挙句の果てにはビリビリに破かれたトランクス(「どういうプレイですか!」「いや、これ仕事みたいな……」「「仕事!?」」の掛け合いで爆笑。もちろん“あれ”です)が出てきて会場がバカ受け。ところが、職業を聞く段階になって、突然会場が暗転。新喜劇モードは一転し、ピストンがひとり、(わりとワンマンでは恒例の)「作文朗読タイム」へ。しかしその内容は衝撃的で、ピストンが相変わらずベースの練習もマネージャー業務もろくにしておらず、今年の夏にとうとう山岸がキレてサービスエリアでピストンに手を上げたこと。積み重なってきたものがあり、その場で「もうこのバンドに居るのは難しいのかな」と思った事。年内でウラニーノを脱退することを決めたとメンバーに打ち明けたこと、などを赤裸々に告白。後で補足も入り「30を超えて思うところもあった」といい、メンバーからは「年内はゆっくり考えてみればいいよ」と言われたとのこと。「そして、僕は……」。正直、あまりにも重過ぎてどちらに転んでもありえそうな状況に、会場は息を呑んでいましたが、「ピストン大橋ではなく“おおはしあきのぶ”となった時に、一体何が残るのだろう……いや、何も残らない!!」と、力強く叫び脱退宣言を撤回! 途中からはカンペを振り回しながらウラニーノへの想いを叫び散らしそのまま「前進するビート」へ! もーーーーーっ!!!!

会場がヒートアップしながら「ツアーメン」へ! そして「中央分離帯」!! 終了後、「ぶっ飛ばせ……ぶっ飛ばせ……風評被害を!」と「ファーマーの長男」へ。終了後、その“ファーマーの長男”が突如ボイス・パーカッションを開始。まさか……! 前回の高知ワンマンで披露され、謎のバンド「はりやまチェリーボーイズ」のオリジナル曲として披露されたあの問題作、「縦笛ハンター」をまさかの(やはりの?)披露! 「ファンキーォォキーベイビーズやゥリーーンに提供するイメージで作りました。はじめて友達を連れられて来たみたいな方、どうぞお友達の耳をこう……塞いで下さい」。実は「縦笛ハンター」はYouTubeにアップロードされているのですが、初聞の方も多かったようで、韻を踏むAメロはあちこちで吹き出す声が聞こえていました。そして本編ラストは「音楽はあるか」。実にボリューム満点な時間が終わりました。

さて、アンコール……と思いきや、またしても「新喜劇のテーマ」! 今度は「マクースの店員?(山岸)」と、お客さん(ピストン大橋)のコント。ワナにはめられて警報装置を作動させてしまったピストンを逮捕しようとする役に警察官(小倉)も登場してのコントタイムでした。
さて、ちゃんとアンコール開始……の前に、今年5回の東京ワンマンでローディーを担当していた方が実はバンドマンの、仲道良氏(ex:ircle)であったことが明かされ、彼をギターに招聘し、何と山岸は本当に久々のハンドマイクで演奏開始! もちろん1曲目は「続・やぶ医者とわたし」! コサイ氏と仲道氏のギターバトルにピストンのベースソロ、小倉ッテはスティックを会場に投げ込むなど次々と演奏がヒートアップ。ヴォーカル選任の山岸氏もかなりハマったヴォーカリストぶりを(前々からちょっと思っていたけれど、明らかに山岸氏は年々パンクになっていく)パフォーマンス。そして2曲目は、ま・さ・か・の「ぼくのロケット」!! 会場大熱狂! こ、こんなに盛り上がれる曲だったのかッ! 当時のバンドグランプリで優勝した理由が分かったような。そして間奏の語りが長年聞き取れなかったのですが、「小さくなっていくその影を見つめながら僕は、“君の手をぎゅっと握ったのでした”」だったんですね。氷解。正に、正に「10周年イヤー」に相応しい集大成的ワンマンがこれで終了しました。

ダブルアンコールがあり、山岸氏ひとりでステージに。朝日新聞12月4日付で紹介されていたという、「津波で家を流されてしまったけれど、ここから見える海の風景が大好きだから、これからもここで生きていきたい」と語った女の子の記事を引用し、「海」を演奏。ぜんぜん違って聞こえました。すごい。なんだこれは。ああ……。

という具合に、めちゃくちゃ詰め込まれたワンマンライブが終わりました。最高でした!! 本当に充実した素晴らしいライブ。ウラニーノのライブは、どれも良いけれど、今回のは特に良かったのではないでしょうか。コントもほんとに面白かった(手荷物検査!!)。でもほんとうに面白かったのは、コント中散々『小池を追いかけるベテラン警官役』を演じておりながら「小池って誰?」とぶっちゃけてしまった小倉氏かな。

さて、ここまで来れば次はいよいよ、CDです!
結局今年は1枚も出せなかった新譜、ぜひ待っております。

2011年09月28日

ウラニーノワンマンライブat渋谷 2011年9月25日

ウラニーノワンマンライブ/2011年9月25日
at 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUR
『ウラニーノ結成10周年記念YEAR第2弾! 毎月ワンマン Season2
〜収穫の秋!新曲祭り〜』

1.夜を越えて (新曲)
2.TONIGHT
3.晩夏 (新曲・初披露)
4.中距離恋愛ラプソディ (新曲)
5.神様と東京ウォーク (新曲・初披露)
6.明日を照らせ (新曲)
7.荒川クルーズ (新曲・初披露)
8.ツアーメン
9.夕焼け、ぼくらを焼き尽くせ
10.戦場に咲いた花 (新曲・初披露)
11.ファーマーの長男 (新曲)
12.ファーマーがダーリン (新曲・初披露)
13.続・やぶ医者とわたし
14.愛してる (新曲)
15.音楽はあるか (新曲・初披露)
E1.終着駅
E2.前進するビート
D1.祈り (新曲)


という訳で、今年3回目となる渋谷PLEASURE PLEASUREでのワンマンライブ報告! とその前に、開場前のおはなしから。今回は照明機器のトラブルで、開場が20分、公演開始が60分遅れるトラブルが発生。「開場」といっても、ホール内には入れずロビーに人がすし詰めになる事態に……。これなら会場の外のほうが良かったな。何か、避難してきているようでした……。
で、ライブは「新曲祭り」と銘打たれただけある凄まじい内容で、何とアンコール含め18曲中、12曲がCD未発表の新曲! しかもこの日は6曲が初披露となり、もはやアルバム出せるじゃん! しかもまだ新曲があるという、ウラニーノの現在の「モード」が伝わるようなライブでした。
また今回はステージが変わっていて、左側にドラムが前へ置かれた横並び一列の構造。サポギのコサイ氏は1曲目からフル参加。「収穫の秋」のタイトルからか、中盤といい、歌って読んで踊っての「小倉祭り」とも言うべきドラム小倉の大フィーチャーぶりが面白かったです! いい人だ。
一方でピストン劇場はバッサリとカットされ、なぜかステージでも奥の方に座り、珍しくMCでもほとんどからまないという異様な(笑)ライブに。いつ仕掛けてくるかとドキドキしていたが、最後まで何もありませんでした。いや、まともなライブなのですが、何だろう、この不消化感(笑)
新曲「晩夏」は、アコギ2本とチャイムの音が折り重なるフォーキーな作品。日本語の言葉のひびきを大切にした叙情的な歌詞で、アレンジは似てないがくるりの「宿はなし」っぽさ、と言えば伝わるだろうか。照明もオレンジ色に照らされ、一面寂しげな夏の終わりに包まれました。素晴らしかった!
前回のワンマンで曲名がないまま披露され、こちらでは通称「ビン」とお伝えしていた新機軸「中距離恋愛ラプソディ」は、2度目にしてこのタイトルを通じてようやく歌詞の内容が飲み込めてきた感じ。いい意味でウラニーノらしくない、ミディアムなラブソングでした。いろいろ共感。等身大だなぁ。ほんとに、不思議だよね。話せることはたくさんあるのにね……。
同じくスロウ気味の「神様と東京ウォーク」は、東京に『慣れてしまった』主人公が誰かの為に十字を切るまでの歌。「荒川クルーズ」は、やー、実にウラニーノらしい! 変わったシチュエーションに集う人々を描いた物語。毎度「妙な方向にエネルギッシュ」な主人公とその彼女と、ちょっとビターで愛おしい人間模様。どこにもいけない人々が、さぁ出発……する前に曲が終わるのが、いいですね!
その後、唐突に怪しげなギターと照明と共に始まった山岸氏による語り。「友達の彼女のそのまた友達だったか……」偶然家が近かった女性を乗せて深夜の首都高速を走る男のハードボイルドな深夜の東京風景……。「雲の子を散らすように都外に散っていくタクシー」を横目に、沈黙が包む車内。「寝てしまってもいいですよ」と声をかける男に、ふと「運転がうまいですね」と声をかける女性――。「職業がら、ちょっとね」「えっ、タクシーの運転手さんですか?」。ブウン。ちょうど荒川をさしかかった車。外は漆黒の闇。「分かった、長距離バスの運転手さんだ」「……違います」。「えーっ、じゃああと、何だろう……」。走る緊張。男は静かに口を開く……。「あるんですよ、その職業は……        ツアーメンです!」 場内大爆笑。途中からオチが分かった私は笑いをこらえるのに必死でした。一度きりでこれはもったいない!どこかで公開してほしいものです。そんな「ツアーメン」でも、前述のとおりピストンフューチャーは本日ゼロだったので「たまに滑っても〜」のお決まりは、なし。もはや十八番とも言うべき「夕焼け〜」を挟み、ライブは後半へ。
今後恒例になる? に違いない麦藁帽をかぶり、小倉氏のドラムから「ファーマーの長男」がスタート。終了後、間髪を入れずに唐突に始まるディスコサウンド。「次の新曲は、『ファーマーがダーリン』です!」。まさかの小倉ヴォーカル投入に会場大熱狂! 「嫁と米を待つ」ではなく「土地と家を持つ」w まさかのステップまで踏まれ会場がダンスホールに……とまではノラないお客さん。どうかめげずに続けて、ウラニーノ! 途中から小倉マイクのスイッチ切られちゃってたね……。また「続・やぶ医者とわたし」では、これまで存在を消すように佇んでいたピストンが普段の3倍以上の長さのベースソロを披露!
そして毎度毎度、本当に圧巻な新曲「愛してる」の演奏。こんなの見たこと無い、と言うぐらい感情的に吼えて歌いちらす山岸氏に思わず圧倒されました。「愛してる」。凄まじかった……。ほんとにすごい曲なのです。この曲でウラニーノには世に打って出てほしいのです。Mステ出て欲しい。で、「口パクであて振りで『愛してるぅ』と叫んで歌っていました」のとこやってほしい。ひねくれてるかな。でもこの曲、ほんとに、21世紀の「歌うたいのバラッド」、あるいはライクアローリングストーンズ。
最後に、山岸氏のダイアリーで詩が先行公開されていた新曲「音楽はあるか」でおしまい。HPになかった歌詞や、「シャララー」というコーラスも加わっていました。ただ、この部分であの詩の凄みがちょっぴり薄まった感じもしたかも?
アンコールは「終着駅」。「みんなで歌って下さい」と、サビの一部で山岸氏がマイクから離れたりしていましたが、みんなの声聞こえなかったな……。「前進するビート」でノリノリになりながらアンコール終了。前回はこの後1曲まるまる手拍子が続いたにも関わらずDEnが無かったのがちょっぴり寂しかったけれど・・・今回は山岸氏、出てきました! 前回、震災後すぐに書いたと紹介された名前の無い新曲(ここでは「包み込むように」とお伝えしました)は、「祈り」というタイトルで披露されました。すてきな曲。1番と2番が入れ替わったかな?
本当にボリュームたっぷりのライブ。柿ももらって、新曲の感想が欲しいとのことで皆さん普段以上にアンケートを書いていらっしゃいました。ピストン成分が薄かった以外は実に濃厚なライブでした。毎月ワンマンのグランドフィナーレは、やはり12月! ここで行われるようです。たのしみ〜!
今回のライブで、新曲群は、「東京」を中心にして、あの街で懸命に生きる、どこにも行けないような、けれど明日や、君や、歌や、あるいは何かを信じ抜こうとする人々のうたが多かったように思いました。今のウラニーノのモード、すごいよ! 来たるアルバムが、本当に楽しみです。
MCでちらっと、「ウラニーノは1月から、ライブをちょっとお休みするかもしれないので……」と漏らしていたから、その辺りから何かあるのかな? 「えぇ〜!!」という声に、「あっ、じゃあやります!」とすぐに怖気づいた山岸氏がかわいかったw 以上です。長々と失礼しました。では!

2011年06月27日

ウラニーノワンマンライブat渋谷 2011年6月25日

twitterでイヌウエさんに書かせたライブ・レポートの加筆修正版です。

ウラニーノワンマンライブ/2011年6月25日
at 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUR
『ウラニーノ結成10周年記念YEAR第2弾! 毎月ワンマン Season1
〜渋谷はまだまだ苦手〜』

1.愛してる
2.中央分離帯
3.青春スピーカー
4.新曲(包み込むように)
5.新曲(ビン)
6.手の鳴る方へ
7.明日を照らせ
8.ファーマーの長男(新曲)
9.夕焼け、ぼくらを焼き尽くせ
10.ツアーメン
11.Go Back To The Hell
12.前進するビート
13.続・やぶ医者とわたし
14.Wonderful World
15.ランドリーとワールド
En1.坂道
En2.死ぬとか生きるとか(新曲)

前回のワンマンからわずか3ヶ月、しかも同じ会場ということもあるのか、チケット販売が苦戦したとMCで(笑)ぶっちゃけてましたが、その分レア度の高い演出や選曲が多いライブでした!
6月のおふたりの誕生日ネタを始め、小倉さんが前に出て作文を朗読し山岸氏が「ツアーメン」のドラムを叩いた場面があったり、ピストン劇場が史上最長を記録したり(さすがに長すぎるよ!)、レゲエっぽいアレンジ? で山岸ヴォーカルの「Go Back To The Hell」(2番から)、CDバージョンの「ランドリーとワールド」など、変わった演出が目立ちました!
また、実に4曲の未発表新曲を披露! 震災のただなかで作られた「包み込むように(仮)」、カバー? とも一度は思った新機軸「ビン(仮)」、嫁と米を待つ「ファーマーの長男」、最後にピアノで演奏された「死ぬとか生きるとか」などが印象的でした。「あいしてる」「明日を照らせ」を含めると未CD化の演奏楽曲は、実に6曲!
最後に、客電が付いても鳴り止まないダブルアンコールを求める拍手が、会場に流れていた「ダンボールに囲まれて」と偶然シンクロして会場の一体感が素敵だった瞬間も。残念ながらダブルアンコールはありませんでしたが、愛されてるバンドだなぁ、と改めて感じたり。
個人的には、まだ聞けたのが2度目だった「愛してる」の歌詞が、1回目よりもずっと、すっと入ってきて、何だか胸が一杯になってしばらくこの曲のことをずっと考えていたりしました。わかんねぇなわかんねぇなわかんねぇなだけどこの曲は、思い切ってシングルにでも切ってしまって、世の中にガッツーンとぶつけてみて欲しいな。「ランドリーとワールド」レベルの傑作だと想います。

20110628/ピストンブログにて発表された曲名などを反映
※「包み込むように(仮)」「ビン(仮)」の曲名は歌詞の一部から暫定的にこちらで名づけたものです。