2012年09月25日

#84 angel fall【楽曲解説・歌詞解釈】

#84 angel fall
アルバム『COSMONAUT』(10.12.15)収録 ― track.11

#83 セントエルモの火 『COSMONAUT』track.11 #75宇宙飛行士への手紙→

<歌詞へのリンク>

■基本的情報
6枚目のオリジナルアルバム『COSMONAUT』に初収録されたアルバム曲。2009年夏に作曲された。プロデューサーから「お題」をもらい作曲していた、いわゆる多作期に制作された楽曲。プロデューサーからのお題は「ゴスペル」だった。
タイトルの「angel fall」は、ベネズエラのカナイマ国立公園にある、世界最大の落差を誇る巨大な滝「エンジェルフォール」からそのまま名づけられている。藤原は、(畏怖的な意味で)「デカ過ぎるもの」という意味合いを込めて、直感的に名づけたと語っている。


■一般的解釈
藤原・その他メンバー共に明言していないが、事実上、藤原が最も敬愛したアーティスト、マイケル・ジャクソンをイメージして作られたとされる曲。
藤原は過去のインタビューで度々、自身の音楽体験のはじまりを、姉が好きだったマイケル・ジャクソンにあると公言している。また藤原が幼いころ風邪をひいた日に、姉のカセットデッキを自分の部屋に置いてもらい、寝たままずっと姉の洋楽を聴いていたというエピソードも語ったことがある。これは、歌詞中の<熱で休んだ 眠りの隙間に 銀色を纏う 一羽の小鳥>と一致する。
<言葉より声を 声より唄を 唄から心を 心の言葉を>という印象的な歌詞も、「洋楽なので歌詞の意味は聞き取れないが、声には魅了される。声は唄となり、唄からその人の心を知り、言語を超えてその人の心の言葉を聴く」というニュアンスにとれる。
<星より光 光を願い 祈る様に踊る 今は無い星を>、<ああ どうかいかないで いつまでもなくならないでいて>など、対象者の死をイメージさせる歌詞もあるが、マイケルが急逝したのは2009年5月であり、作曲時期的にも一致する。
後半は「あなたの戦い」について描いており、<栄光の中で 恥辱にまみれて 何度も壊されて 消えた小鳥の>という一節は、数々のスキャンダルに悩まされたマイケルをイメージして藤原の視点から描いたものととることが出来るだろう。
また、一部では、マイケルの楽曲である『Will You Be There』とこの楽曲の雰囲気が似ているという指摘もあり、なるほど、ちょっと似ているかもしれない。


■個人的読み解き
基本的なところは「一般的解釈」にも述べましたが、藤原のマイケルへの想いが美しい歌詞とともに綴られています。<臆病なあなた>や、<星より光り 光を願い 祈るように踊る>という箇所からは、藤原のマイケル観が透けて見えるようです。
この見方がとれると一気に解釈は簡単になり、ほぼ意味が通じない場所は出てこないといってもよいでしょう。
ただし、もちろんこの曲は藤原の個人的な想いから描かれてはいるものの、私たちは私たちで好きにこの登場人物たちを入れ替えて投影させて良いわけで、ありとあらゆる人々の、憧れた人々との別れ、そしてその人から受け取った光を、今も胸に抱き続けるというストーリーは、誰もが共鳴出来るところではないでしょうか。
藤原は普段、歌詞に改行を続けて入れないのですが、「angel fall」の歌詞では、最初の5行まですべて1行づつ歌詞に改行を入れています。ここからも、一節・一節づつの時間経過の長さや、藤原のこの箇所への想い入れの強さを感じさせます。
今はいない“スーパースター”を<星より光り>と表現し、それでいて<抱きしめた胸に>という一節からは、押し潰れてしまいそうに小さな、か弱い小鳥の姿を思い浮かばせます。相反するふたつのモチーフを両面から映し出した、実に見事な表現です。
独特の浮遊感も相まって、特に冒頭の優しい歌声が、強く強く星空に響いてゆくような物語歌詞です。




※この楽曲に関するメンバーのインタビュー記事を集めています!
コメント欄に、必ず「出典の雑誌・ページ・発言者(例:MUSICA 2011年1月号 45ページ・藤原)」を添えて、ぜひお寄せ下さい。
ゆっくりペースで追加・追記してゆき、より充実した記事にしていきたいと考えています。
posted by ゆうろく at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ■『COSMONAUT』
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