2013年06月27日

ウラニーノ ピストン大橋脱退ラストライブ 2013年6月20日 下北沢CLUB Que ライブレポート

acari自主企画『とけない魔法 vol.4』/2013年6月20日
at 東京 下北沢CLUB Que
ヒラオコジョー・ザ・グループサウンズ/acari/ウラニーノ

1.愛してる
2.手の鳴る方へ
3.ありがとうとごめんねと
4.無題
5.縦笛ハンター
6.ブランクミュージック

EN1.ツアーメン
EN2.贈るピストン

6月11日の脱退発表からわずか9日、急転直下で決定したウラニーノ12年体制最後のライブが対バンというのは、ライブバンドだったウラニーノにとって、ある意味相応しい舞台だったのかもしれない。ともかくの6月20日のCLUB Que。実は、対バンでウラニーノを観るのはこれが初めてだった。
開場時こそゆるやかな動員だったが、開演までには会場の半分が埋まるだろうかという感じへ。まずはトップバッター、ヒラオコジョー・ザ・グループサウンズによるライブ。日常生活をしっかりとした眼差しで捉えた歌詞とサウンドが印象的なバンドだった。
ヴォーカルのヒラオコジョーがMCで、「バンドを続けていると本当に色々なことがある。いろんな人と知り合えるが、ファンだけはどうしてもこっちから見つけることが出来ない。かけがえが無い。今日で音楽をやめますと言っても、『辞めないで!』と何の忌憚もなく言ってくれる存在はファンしか居ない」と話していたのがとても印象的で、うわぁ……と思ったことと同時に、けれどそれでも辞めてしまったら、それはファンを失うということなんだな、という冷酷な現実もちょっと突きつけられたりして、改めてマンパワーの何かを感じたような気がしました。ウラニーノ、そうでなくてくれ! しかし他人のバンドのMCの時間中も、ちゃっかり後ろから見ていて誰よりもゲラゲラ笑っているピストン、やっぱりすごいわ……。
二番手、そして本来はトリのはずだったacariの出演。音楽の印象は曲ごとに大きく違えど、しっかりとした演奏力のあるバンドだった。何とウラニーノとはほとんど面識がないといい、そんな中でトリを譲るというありえない(笑)決断をして下さったことが本当に在り難く、ファンとしては心から嬉しいものだった。結果的に企画を乗っ取った形になったから、ぜひ次は『とけちゃった魔法』を企画して頂きたい。行きます! (Queでね!)

そして21時過ぎ、いよいよ客が増えてゆき、CLUB Queはほぼすし詰め状態に。動員は200人を超えていたというから、ほとんどキャパ満員に近い状態だったはず。バンドマンも多かったようで、最近対バンが続くnano.RIPEのメンバーも後ろで見ていたということだった。
そして開幕! いきなり前説の音楽が大音量で流れたかと思うと、リクルートスーツ姿に首から「就活中」と書かれた札をぶら下げたピストンが満面の笑みで登場! あんたらすごいわ!! いきなり大爆笑の会場に他メンバーも加わり、お決まりのピストンひとり山岸(さん)ペロペロ⇒メンバー一同による一糸乱れぬダンス が次々と披露。「今夜もよろしくねッ!」というピストンの合図から山岸がギターをかき鳴らし、『愛してる』から現メンバー最後のライブがスタート。激しいギターリフから3人のアンサンブルが始まった瞬間の鳥肌! 過去最も激しい『愛してる』の大熱演。正直、僕はもうこの辺りからダメで、間奏で3人が寄り添うように中央に集まって互いにギャンギャンと楽器をかき鳴らす姿から涙が止まらなかった。スーツ姿のピストンと、バンドマン姿の山岸・小倉(さん)。別れを否応なく想像させるその演奏風景が、まるで青春の終わりのようだった。
あっという間に演奏終了。観客から雄たけびが次々と上がる。続けて静かに始まったのが『手の鳴る方へ』。この曲も中盤以降畳み掛けるような展開が見事ですが、ピストンのコーラス……「山岸:行かなくちゃ」「ピストン:行かなくちゃ」「山岸:行かなくちゃ……」の部分が、まるで今のこの瞬間の掛け合いのようで……こちらも涙が止まらない。正直、ここまで感情的になってしまうとは思っていなくて、僕の中でどれだけウラニーノが大きかったのかが、もう、辛かった……。
が、だ。
ここからのMCタイムで雰囲気一転!
最後とばかりにキモさ全面押しのピストン。会場からの「キモーイ!」の掛け声に最高に気持ち悪い声で「知ってる〜、ウフフフフフフ」と返したピストンに千年の恋も冷めゆく。山岸が「ピストンのラストライブとなった途端に猛烈な勢いでチケットが売れて……、有り難いんですが皆さんもっと普段からライブ来て下さい!」とぶっちゃけ、ピストンがツッ込むいつもの漫才には、湿っぽさを感じさせてたまるか、という、最後までショウであり続けるウラニーノの姿がありました。「皆さん間違っても絶対に泣かないで下さいね! むしろ一人泣くピストンを全員で指差して笑おうって趣旨ですから!」「ちょっ、じゃあ俺、絶対泣かない!」「……皆さん、いまのよく覚えておきましょう!」
3曲目は、「ピストンもこういう気持ちかもしれない……、曲名だけですが」という紹介から『ありがとうとごめんねと』。この曲はベースが難しく、100テイク近くも撮り直す羽目になったというピストン的にはいわくつきの曲。ただ今回は、1番のサビ前まではベースを弾かず、ピストンがひとり歌詞を口ずさんでいたのがとても印象的でした。
続けて『無題』。再び3人の激しいアンサンブルを堪能すると、あのボイスパーカッションと共に『縦笛ハンター』が開幕!! 最近のライブはわからないのですが、山岸が「学生時代! 好きな女の子に振られました! ならどうしますかッ! 縦笛を舐めるしかないでしょーーーーっ!!(キレ気味)」と一切フォローなしで叫んでいたのはちょっとヤバイ感じを想像させ、しかしそれが同時にとても気持ちよ過ぎたりなんかして。ある意味会場を最高潮で乗っ取った瞬間でした。だって満員のCLUB Que、全員が「キャーー!」でしたからね!!
楽曲中盤、「目を閉じる そして感じる…… (I kiss you rips……)」の部分はピストンが「安藤さんの(エア)リコォダーァ! ンンン〜ッレロレロレロレロレロレロ……せーのっ、ベレロレロレロレロレレオ……」といつもより長めに、ヤバい感じに披露。エスカレートしてゆくピストンの醜態(明日から無職)に、思わず山岸も吹き出して観念したように演奏再開。会場も大合唱でサビを連呼。あの謎のハッピー空間は何だったのか……。さらに小倉が前に出てきて、最後のフレーズのギターまで弾き始め(山岸はドラムを叩きながらヴォーカル)、盛り沢山の内容で拍手喝采の中、演奏終了。
MCでは、もちろん今後もウラニーノは2人で活動継続してゆくことが明言され、決定しているライブ、秋のリリースがあることに関してもアナウンス。客席から「オーロラ!」という掛け声が上がり、普段は会場からの声には反応しないスタンスであるという山岸が「ここでオーロラ!?」と思わず動揺してしまったのが面白かったです。ピストンも、「僕、書類送検されちゃう!」
最後の曲は、新曲「ブランクミュージック」。「ピストンと僕が生まれた1980年はジョン・レノンが死んじゃった年、ビートルズを聴いて音楽を始めた僕と、TM NETWORKを聴いて音楽始めたピストンで最後に演奏する曲です」。あまり歌詞が聞き取れなかったのですが(スミマセン)、ノリノリのロックナンバーで〆でした。

アンコール待ちは「ピストンコール」! 途中なぜか男女でパート分けされ、「ピストン! ピストン! ピストン! ピストン!」。
わずか数分でアンコールスタート! 前説は「じょいふる」。会場全員で踊り狂う。開始早々に「本日、スペシャルゲスト、佐久間正英さんに来ていただいています!」という山岸の紹介でプロデューサーの佐久間正英氏が登場、何と黄色い新品のベースを手にしている! ピストン脱退決定前に佐久間氏にオーダーしていたというベースが本日完成したというサプライズ! 嬉しそうだが、今日この場で貰った瞬間に弾かなければならないという妙なシチュエーションに狼狽するピストン。素敵なはなむけのプレゼントだな! と思った瞬間に、「請求書はピストン本人に……」。
音が出るまでかなり長い間が出来てしまい、全員苦笑しながらも、最後には何とかヴィーンと音を響かせて『ツアーメン』がスタート! 「ピストンとの時間は、とても愉快なものでした。これからもウラニーノを続けることがピストンとの最後の約束です!」。素晴らしいバンドアンサンブル、高揚感、なぜかカラッとしたその空気は本当に愛おしく、ああ、これで終わりなんだなぁ、と思いながら最後の最後の1音……、全員で見合わせて……ビーン。ピストン、音を外される! 虚しく響く最後のベース、ワンテンポ遅れてギターとドラムがジャーン! 「おーいっ!おーいっ!」と動揺しまくるピストンを尻目に、拍手喝采を浴びるこれからのウラニーノ! 頑張って下さいっ!
最後に、今日のライブ出演者全員を交えて(みなピストンのお面を付けながらの登場、ステージ上がピストンだらけになるという異様な光景に)の「贈る言葉」の替え歌『贈るピストン』の大合唱(「おくる〜ピスト〜ン〜」の部分だけであとは同じ歌詞)。何気にウラニーノメンバーによる演奏であり、ピストンもベースを弾きながら自分を贈る歌を歌う。特に初対面のacari! このノリに付いて来て下さってありがとうございます! ごめんなさい! 「最後に一言!」と言われて特に何の気の利いた言葉が出てこないピストンさんが大好きでした。グッドラックです! これからも歩み行く、ぼくの青春の3名様に幸多かれ!


※特にMC内容は記憶から起こしているので文意が変わっている恐れが十分にございます。ご了承ください。また、記憶に乏しい箇所はtwitterなどからのライブレポートも一部参照しています。